吉祥山文殊院 妙徳寺 monjuinmyoutokuji
ひとくちメモ
島名の香取神社の北西に伽藍が建立されています。 永仁5年(1297)に一遍上人の法弟・一阿了向によって道場として開基したもので浄土宗の一派である時宗に属しています。 「新編常陸国誌」の妙徳寺は滋賀県(米原)の連華寺の末寺であったとの記載があります。 連華寺は古くは関西の時宗の本山で、現在は浄土宗の本山になっています。
境内は東西90メートル南北75メートルでその周辺に土塁と堀を巡らしていたらしく、今でもその残塁や堀の跡が残されています。 本堂は茅葺屋根になっており、文久2年(1862)に建立されています。 庫裏は文政12年(1829)に建立されたもので、本堂より大きいのは、本堂の出来ない間、庫裏の中座敷に 阿弥陀像を安置しておいたからです。 その阿弥陀像は失われ、現在、本堂にある阿弥陀像は中西の文殊院のものを移したものと伝えられています。 山門が鐘楼となっています。 太平洋戦争で供出された、以前懸っていた梵鐘は寛延2年(1749)鋳造で山門の建立はその前です。
境内には天然記念物に指定されている梅の老木があります。 また、島名小学校は明治10年(1877)にこのお寺で創立されました。 周辺の地域は新興住宅地として開拓が進められている最中で、近くで発掘調査が行われていました。